7.生計一
所得税法上の生計一
所得税法上、生計一とは「日常の生活の資を共にすること」をいいます。つまり、誰の資力で生活を営んでいるかということです。単身赴任や大学生の一人暮らしなどで別居していても、生活費や学費を常に送金している場合や日常生活を共にしていない親族が、勤務・修学の余暇に他の親族のもとで起居を共にしている場合は、生計一にするものとして取り扱われます。
生計一は、所得税法上、様々な場面でその判断が必要になります。例えば、配偶者控除・扶養控除・雑損控除・医療費控除など、所得控除ができるか否かの判断に出てくることが多いです。生計を一にしているか否かは、法令で定められているわけではなく、通達で規定されているだけですので、その線引きは非常に難しいところがあります。
医療費控除など、同居していなければ親族の医療費を申告者の医療費に加えることができないと思われがちですが、生計を一にしている親族であれば合算することができます。生活費を常に送金している実家の父母の医療費を自分の医療費に合算することもできます。生計一は、法人税法でも相続税法でも登場します。それぞれ若干の違いはありますが基本的には同じ意味です。また、「同居」という用語も税法上登場しますが、生計一は同居を要件とはしていないので注意が必要です。