4.死亡保険金の税務

 被保険者が亡くなり保険契約上の受取人が死亡保険金を受け取った時は、その契約内容により税金の種類が異なります。一般的には、相続税・所得税・贈与税の3種類に区分されます。

(相続税の対象となる場合)

 被保険者(死亡者)と保険料の負担者が同一で、保険金の受取人が相続人の場合です。具体的には、被保険者と保険料負担者が夫で、その妻が受取人の場合です。受取人が相続人以外の場合は、遺贈により取得したものとみなされ相続税が課税されます。

(所得税の対象となる場合)

 保険料の負担者と保険金の受取人が同一の場合です。この場合、自分で負担した保険料が戻ってきたと考え、一時所得又は雑所得として課税されます。保険金を年金の形式で受領した場合が雑所得となり、それ以外の場合が一時所得となります。保険の内容により所得区分が異なるので注意が必要です。

(贈与税の対象となる場合)

 被保険者と保険料の負担者及び保険金の受取人が全て違う場合です。具体的には、被保険者が父、保険料の負担者が母、保険金の受取人が長男の場合が考えられます。この場合、母が贈与者で長男が受贈者となり、保険金が基礎控除部分を超えていれば贈与税の申告が必要となります。

 このように、被保険者・負担者・受取人の区別により税金の種類が変わってくるので、保険に加入する際は特に負担者と受取人に留意する必要があります。また、相続税の対象となる場合は、非課税限度額があります(500万円×法定相続人数)。ただし、遺贈の場合は、非課税制度は適用できないので注意が必要です。