4.非課税と不課税

 消費税の区分で迷いが生じることがあります。消費税は、その性質から大きく分けると課税取引、非課税取引、不課税取引、免税取引となります。消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等と輸入取引になります。これらの取引等に該当しないものが、不課税取引です。つまり、不課税取引は、そもそも消費税法の対象ではないと考えることができます。不課税取引としては、寄附金、出資配当金などが該当します。

 一方、消費税法の対象であっても課税取引に馴染まないものや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引があります。これが非課税取引です。土地、有価証券、商品券などの譲渡、社会保険医療などが該当します。

 課税売上割合の計算上、割合を算定する上で非課税取引は影響させますが、不課税取引は影響させません。したがって区分は明確にしておく必要があります。課税売上割合の計算を誤ると仕入税額控除の金額に影響を及ぼし、ひいては納付消費税額に大きな影響が出ます。

 区分に迷う時がありますが、対価性があるか否かが判断のポイントになります。損害賠償金は対価として支払われるものではないので、不課税となります。しかし、事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合は、対価性があるので課税取引となります。同じ損害賠償金でもその実質で判断する必要がありますので注意が必要です。