18.CRS情報

Common Reporting Standard

 CRS情報とは、「共通報告基準情報」のことです。

 あまり聞き慣れないかもしれませんが、経済のグローバル化に伴い、国税庁も国際的な動きに対応するために、このCRS情報を活用しています。非居住者の金融口座情報や国別報告事項の自動的情報交換などの情報が該当します。これ以外にも海外所有不動産情報なども該当します。

 令和元年11月末時点で、この自動的情報交換により、日本の非居住者に係る金融口座情報約47万件を64ヶ国・地域に提供した一方、日本の居住者に係る金融口座情報約189万件を85ヶ国・地域から受領しています。

 この情報の取得により、特に相続税において、相続財産の計上漏れを指摘する税務調査が最近増えてきています。相続によっては、相続人が海外資産のことを把握していない場合があり、必ずしも脱税だけが目的ではないようです。近年では国内金融機関もネット銀行が増え、通帳を発行している金融機関が減少する傾向にあります。海外金融機関ではほぼ通帳はないので、相続人が被相続人の資産を把握することが、いっそう困難な状況になっています。生前から、被相続人と相続人との間でコミュニケーションをとっておくことが重要です。