17.インボイス制度（1）

インボイス＝適格 請求書等 保存

　インボイス制度とは、

　　　・特定の事業者のみが、

　　　・適格請求書を交付することができる

　制度です。適格請求書とは、現在の請求書等（区分記載請求書）にプラスして、

　　　・登録番号（税務署から付番されます）

　　　・適用税率（軽減8％、10％など）

　　　・税率ごとに区分した消費税額

　を記載した「請求書」のことです。簡単に言えば、税務署から登録の許可を得た事業者（特定の事業者）だけが、この新しい請求書（
インボイス）を取引先に交付することができるということです。

　この制度下での一番の留意事項は、課税事業者が免税事業者との間で行った取引により支払った消費税について「仕入税額控除」が受けられないということです。仕入税額控除が受けられないということは、自腹で課税事業者がその消費税分を負担することになります。これにより、課税事業者は、現行制度から比べると不利益を被るということになりますが、免税事業者も課税事業者との取引が制限されるかもしれませんので不利益を被る可能性があります。

　インボイス制度は、「本来の消費税の正しい納税」を促すための適正な制度であると考えますが、現行の消費税制度との違いが鮮明になりますので、事前の準備が欠かせません。この制度は令和5年10月から始まります。個人的には、課税事業よりも現在の免税事業者がどのような意思決定をするかが重要になると思います。