16.医療法人

持分なしの法人へ移行

　出資持分の定めのある医療法人が、持分なしの医療法人へ移行した場合、医療法人に対する課税が気になりますが、結論としては、法人課税はありません。法人税法施行令で、次のように明確に規定されています。

「持分の全部又は一部の払戻しをしなかったときは、その払戻しをしなかったことによより生ずる利益の額は、その医療法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額には算入しない。」

　ただし、持分の定めのない法人に対し、財産の贈与があった場合において、その贈与により、贈与をした者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税や贈与税の負担が不当に減少する結果となるときは、医療法人を「個人」とみなして、法人に贈与税が相続税が課税されるので注意が必要です。