14.還付加算金

課税価格に算入されるか否か

 被相続人の所得税について還付される場合の「還付加算金」が、相続財産になるか否かが問題となるときがあります。還付金自体は、相続財産であり、相続税の課税の対象となります。これは、被相続人の死亡後に発生するとしても、被相続人の生存中に潜在的な請求権が被相続人に帰属しており、この請求権が被相続人の死亡により顕在化したものと考えられるためです。

 「準確定申告に係る還付加算金」は、相続人が確定申告書の提出によって原始的に取得するもので、被相続人からの相続によって取得するものではないため、所得税の課税対象となり、相続財産とはなりません

 一方、確定申告書提出後に死亡した被相続人に係る還付加算金は、前述のとおり、被相続人の債権として潜在的に既に成立していると考えられ、被相続人の死亡時までの期間に係る還付加算金は、相続財産の対象となります。これは、準確定申告と異なり、申告所得税の納税義務は、暦年の終了時に成立するとされているためです。どの申告に係る還付加算金であるのかを意識し、注意する必要があります。