14.税制改正大綱
令和3年度
令和3年度の税制改正大綱では、新型コロナウイルスの影響もあり、全体として減税色が強いものとなりました。消費税、相続税等では目立った改正はありませんでしたが、ポイントとなる主な改正内容は次のとおりです。いずれも国会を通過してから正式に決定します。
1.固定資産税(据置)
令和3年度から令和5年度まで下落修正措置を含め、減額制度を継続することとなりました。また、令和3年度に限っては、負担調整措置等により税額が増加する土地については、前年度の税額に据え置くこととされました。つまり、課税標準等が増加しても、税額は増加しないということです。
2.所得税(住宅ローン減税)
① 控除期間13年間の特例について、その期間が延長されました。
② 一定の期間までに契約した場合は、令和4年末までの入居も対象となりました。
③ 床面積50㎡の要件が、40㎡に緩和されました(ただし、所得金額1,000万円以下の者に限られます)。
④ 令和4年度の税制改正において、住宅ローン年末残高の1%を控除する割合について見直されることとなりました。これは、住宅ローンが1%を下回るケースが増えてきたためです。
3.所得税(退職所得)
退職所得課税における2分の1課税について、法人役員等以外も勤続年数5年以下の短期の退職金については、2分の1課税の適用はできなくなりました。ただし、支払金額300万円までは引き続き2分の1課税が適用されます。
4.法人税(繰越欠損金)
一定の法人は、繰越欠損金の控除について上限がありますが、一定期間に限って、企業改革等に係る投資に応じた範囲内であれば、最大100%までの控除ができるようになりました。
5.相続税(国外財産)
就労等のために日本に居住する外国人に係る相続等について、その居住期間にかかわらず、国外に居住する外国人や日本に短期的に滞在する外国人が相続人等として取得する国外財産を相続税等の課税対象としないこととされました。