13.課税売上げがゼロの場合
消費税還付の可否
課税売上げがゼロであっても、消費税の還付申告となる場合があります。
消費税の納税額を計算する上で重要なものが、「課税売上割合」です。割合によって税額の計算が異なってくるのは消費税だけです。課税売上割合は、(課税売上げ+免税売上げ)÷(課税売上げ+免税売上げ+非課税売上げ)で計算しますが、この割合が95%未満の時は、仕入税額控除は全額控除することができません。個別対応方式か一括比例配分方式で計算します。
ここで課税売上げがゼロで非課税売上げ(受取利息など)が5円であった場合を想定すると、課税売上割合は、0.00%となり、95%未満ですので全額控除はできません。しかし、受取利息がない場合(つまり、非課税売上げが無い場合)の課税売上割合は分子も分母もゼロとなり、課税売上割合が算定されません(0.00%にはならないということです)。算定されないということは95%未満であるということも言えませんので、理論上は仕入税額は全額控除できることになります。
したがって、課税売上げと非課税売上げがゼロで、課税仕入れがある場合は、個別対応方式を採用し、その課税仕入れが課税売上げに対応するものであれば(課税売上げが実際に発生している必要はありません)、当該事業年度の消費税の申告は還付申告となります。