12.財産分与
土地を譲渡した場合
離婚により相手方から財産をもらった場合、原則として贈与税はかかりません。当該財産分与は、相手から財産をもらったものではなく、離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えるためです。例外として、次のいずれかに当てはまる場合には、贈与税が課税されます。
①分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
②離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合
上記①の場合は、多過ぎる部分について贈与税が課税されます。②の場合は、離婚によってもらった財産全てに贈与税が課税されます。
ここで注意すべきは、財産が土地(又は建物等)の場合です。財産分与が土地で行われたときは、贈与税は発生しませんが、分与した人(土地を渡した人)に譲渡所得の課税が行われます。この場合、分与した時の土地の時価が譲渡所得の収入金額となります。したがって、その財産の取得価額と財産分与時の時価の差額が譲渡益であれば、その部分について譲渡所得税が発生することになります。