11.使途秘匿金
全額損金不算入
使途秘匿金とは、法人が支払った金銭のうち、相当の理由がなく、その相手方の氏名又は名称およびその住所等並びにその事由を当該法人の帳簿書類に記載していないものです。つまり金銭の支出があるもののその使途が判明しないものです。通常は、領収書もありません。
使途秘匿金は、会計上は交際費等で費用に計上されますが、税務上は全額損金不算入となります。したがって、会計上の利益に加算し、所得を計算することになります。さらに、通常の法人税の額に、その使途秘匿金の支出額の40%に相当する額を加算した額を納税しなければなりません。仮に使途秘匿金が1,000万円とした場合、地方税を含めると、この影響額(法人税等)は、約870万円になります。
この使途秘匿金を税務調査時に指摘され、修正申告をした場合は、本税の他に延滞税、重加算税などが加算されると、使途秘匿金と概ね同額の税金が徴収されます。使途秘匿金は、脱税行為とは言えないかもしれませんが、支出先とその理由さえも隠すような違法に近い支出となりますので、指摘されれば全額損金不算入となるだけでなく、多額の税金が徴収されることになりますので、使途が説明できない支出は会社のためになりませんので、すべきではないと考えます。