10.公益法人の課税

会費収入の消費税

 学会運営をしている公益法人等は、会費収入が主な収入源となっています。会費はその法人に所属する会員から年払いとして徴収する場合がほとんどです。この会費について消費税法上は、その法人の業務運営上必要な通常年会費については、一般的には対価関係がないため、資産の譲渡等の対価には当たらず不課税となります。したがって、その会費を支払う側も課税事業者である場合は、仕入税額控除はできません。

 ここで、学術講演会等への参加費も不課税となるか否かがポイントとなります。結論から申し上げますと不課税となります。学術講演会等は、その法人が組織的活動の一環として催される行事です。したがって、法人の会員が学術講演会等への参加に際して支払う参加費は、明白な対価性が認められないため、通常会費と同様の取り扱いになります。

 ただし、会員以外の外部の第三者が参加費を支払って学術講演会等に参加する場合は、その者が学術講演会等に参加することによって役務の提供を受けると考えられるため、課税取引になります。通常会費でも学術講演会等の参加費でも、特定収入になるので、消費税の計算時は注意が必要です。