9.住宅の貸付け

非課税範囲

 令和2年度税制改正で、住宅の貸付けに係る契約において貸付けに係る用途が明らかにされていない場合であっても、当該貸付けの用に供する建物の状況等から人の居住の用に供することが明らかな貸付けについては、消費税を非課税とするとされました。この改正は令和2年4月1日以降の貸付けから適用されています。

 住宅を賃貸する場合に、借手が個人であって、当該住宅が人の居住用に供されていないことを貸手が把握していない場合などが該当します。従来は、一般的には賃貸借契約書に居住用と記載されているか否かで、課税・非課税の判断をしていました。今回の改正で、契約書にどのように記載されていても実態で判断することになりました。

 消費税が非課税になると、借手・貸手の双方に影響が出ます。消費税の課税事業者でなければ関係ありませんが、課税事業者の場合、借手側では仕入税額控除はできませんし、貸手側では課税売上げになりません。契約書の内容がどうであれ、当事者間でどのような取り決めがあり、その取り決めが実態に即しているか否かで税務上の判断を行う必要があります。