5.新型コロナに係る給付金の課税関係

 新型コロナウイルスの影響で売上高が著しく減少した事業者や休業した事業者に対し、各種の給付金が支給されているところです。この給付金について課税関係がどのようになるかは事業者にとって重要なことであり、今後の取り扱いにも注視する必要があります。現時点における課税関係は、その給付金の内容により次のようになります。

(非課税)10万円の特別定額給付金・子育て世帯への臨時特別給付金
(課税対象)持続化給付金・休業協力金・雇用調整助成金

 上記のように家計への直接支援は非課税、事業者への支援は課税対象となっています。市区町村独自のコロナ対策給付金も原則として、その給付が家計への直接支援なのか、事業者への支援なのかで判断しているようです。事業者への支援が課税対象となっているのは、課税の公平性の観点からであると思われます。持続化給付金などは、売上高の著しい現象があった場合に支給されます。いわば売上高の補填です。費用や経費は損金や必要経費に算入されるのに、それを補填する収入だけが非課税となるのは不公平であるという考え方です。

 新型コロナに係る給付金は様々なものがあります。国が主体となっているものは一般的に周知されていますが、各市区町村で個別に実施しているものはなかなか周知されません。例えば、神奈川県川崎市では事業収入が対前年比で50%以上減少していなくても、30%以上50%未満の減少で「川崎市小規模事業者臨時給付金」を独自に支給しています(一律10万円)。つまり、国の持続化給付金を受けられない事業者でも新型コロナにより影響を受けている小規模事業者の事業継続を市が支えようとしているのです。給付金の金額については是非がありますが、事業者が所在する市区町村の制度を調べてみると良いと思います。