4.外注費と給与
税務上、外注費と給与はその取扱いが異なります。外注費は、課税取引であり源泉徴収義務もなく、社会保険に加入する必要もありません。一方、給与は不課税取引であり源泉徴収義務があり、社会保険に加入する必要がります。両者を比較すると外注費のほうが法人にとってメリットがある感じがします。消費税の納税額が少なくなりますし、源泉徴収義務もなく社会保険料の負担もありません。ただし、外注費であっても所得税法に規定する報酬・料金の場合は源泉徴収義務があります。
しかし、外注費のメリットを重視し、給与ではなく単に外注費とすると税務調査で指摘を受けます。外注費は請負契約等に基づき役務提供を受けた対価としての支払であり、給与は雇用契約に基づく対価です。外注費であるか給与であるかは契約によって決まるのではなく、その業務の実態によって決まります。実態とは、その業務に代替性があるか、請求書は外注先が発行しているか、指揮命令等を受けていないか(自分で判断し仕事を遂行できるか)、役務提供にかかる材料や備品を自分で調達しているか、などがあるか否かで判断します。契約書があることは当然として、業務実態が雇用契約に該当しないかどうかで判断します。
また、外注費であっても外交員報酬に該当する場合は源泉徴収の義務があります。法人が役務提供の対価として支払う、給与・外注費・外交員報酬は法人の費用になる点では同じですが、その実態に基づき判断しなければ、税務上誤った処理となりますので注意が必要です。